
近年、企業・個人にかかわらず、多くの人がECサイト(インターネットショップ)を通じて商品売買を行っています。
中でも、簡単にECサイトを始められるサービスとして利用されているのが、世界中でシェアを伸ばしている“Shopify(ショッピファイ)”です。Shopifyには、EC事業を行う上で有効な機能や連携が充実しています。
ShopifyでECサイトの構築を検討中で、「構築の手順が分からない」「構築を依頼する制作会社を選ぶポイントを知りたい」とお悩みの担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、Shopifyの概要や構築の流れ、外注先の選び方や費用相場などを解説しています。ECサイトの構築を検討している方は参考にしてみてください。
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Shopifyとは?
Shopify(ショッピファイ)とは、ECサイトの制作・構築が行える、カナダ発のクラウド型ECプラットフォームのことです。
Shopifyはシンプルながら高機能なデザインが可能で、個人事業者向けの小規模なECサイトから、企業が使う大規模なECサイトまで初期費用なしで構築可能です。
また、マーケティング機能を利用して、集客に活用することもできます。誰でも手軽に、本格的なサイトを構築できる点で人気を博し、EC業界の中で話題を集めています。
2020年時点で世界175ヶ国以上、100万以上の店舗でShopifyが利用されています。 国内においては、Shopifyを導入した店舗数は30,376店舗(2023年8月時点)というデータがあり、多くの企業に利用されていることがわかります。
引用元:Shopify「越境ECのはじめ方:Shopifyを海外販売用ストアにもおすすめする理由」 引用元:Store Leads「Shopify Stores in Japan」ShopifyでECサイトを構築する6つのメリット
世界中で人気を誇るShopifyですが、多くのサイトが採用しているのには理由があります。続いては、Shopifyを使ってECサイトを構築する6つのメリットをご紹介します。
- 低コストでECサイトを運用できる
- Shopifyはデザインテンプレート(テーマ)が豊富
- 越境ECを始めやすい
- 事業規模が大きくなってもプラットフォームの乗り換え不要
- アプリを使って機能を拡張できる
- アクセス集中に対応できる
低コストでECサイトを運用できる
通常、使い勝手に優れたECサイトの構築には高い開発費用や維持費が必要です。しかし、Shopifyは初期費用がかからず決済手数料も安いため、低コストでECサイトを始めることができます。
Shopifyはデザインテンプレート(テーマ)が豊富
Shopifyではテーマと呼ばれる、Eコマースに最適化されたデザインテンプレートを100種類以上提供しています。
テーマは無料から数百ドル程度の有償のものまであり、好きなデザインテンプレートを選ぶことができます。 コードを修正せずにブロックやボタンの追加、画像の差し替えやサイズ調整なども可能なので商材やブランドにマッチしたECサイトを制作しやすいのが特徴。
また、デザインテンプレートは事業規模を問わず使いやすい点も魅力。商材の点数が10点以下の小規模のサイトから1,000点以上の大規模のサイトまで、あらゆる規模のショップに対応可能なデザインが用意されています。
▼テーマのカスタマイズ画面。ノーコードでブロックやボタンの追加、画像の差し替えやサイズ調整などが可能。
越境ECを始めやすい
越境ECとは、インターネットを通じて国内から海外に向けて商品やサービスを販売すること。 Shopifyは越境ECに強く、50の言語と130ヶ国以上の通貨、100種類以上の決済方法に対応しています。
Shopifyで構築したECサイトならアプリを使った自動翻訳が可能で、言葉の壁に悩むこともありません。 国ごとの税制適用や為替の自動計算といった機能もあり、越境ECを行う上で大きなメリットになります。 Shopifyを活用することで日本国内だけではなく、海外在住のユーザーに商品を販売できるサイトを構築できます。
事業規模が大きくなってもプラットフォームの乗り換え不要
Shopifyにはさまざまなプランが用意されており、事業規模にあわせてプランを選択できます。
後からプラン変更することも可能なため、ECサイトの成長にあわせて必要な機能を拡張することができます。ECプラットフォームを乗り換える必要がないので、商品データや顧客データの移行といった大変な手間がかからない点はメリットといえます。
アプリを使って機能を拡張できる
Shopifyのアプリストアにあるアプリを利用してサイトをカスタマイズすることで、ECサイトに欲しい機能を搭載できます。
たとえば、ページの閲覧にパスワードを設定することで会員限定セールなどを行うことができるアプリや、ギフト・熨斗対応、配送日指定、再入荷のお知らせ、領収書や納品書などの帳票出力、メールやSMSなどでCRMコミュニケーション、レビュー投稿が可能になります。
日本製のアプリも充実してきており、定期購買アプリなどではLINE連携してCRM施策を行えたり、日/週/月/年単位で配送周期を設定できるものや、頒布会など充実した機能が増えています。また、マイページや商品詳細ページ、サンクスページをカスタマイズすることで初回購入のハードルを下げたりLTVの最大化を考えたりすることが可能になってきます。
2023年10月時点で、Shopifyには8,000を超えるアプリが存在していますので、何を使ったらいいか迷われた際はお問合せ下さい。
アクセス集中に対応できる
ECサイトを運用する中で、メディア露出やLINEの一斉配信といった影響で一時的にアクセス数が大幅に増加するケースがあります。一般的なASPなどのECカートではサイトが表示されるまで時間がかかったりするため、アクセスの増減に合わせて事前にECストアのインフラを整備する必要があります。
しかし、Shopifyはアクセスの負荷耐性が非常に高く、20万人が同時にアクセスしても耐えうるインフラを提供しています。インフラを気にしなくていい点は運用上の大きなメリットになります。
Shopifyのデメリット
Shopifyには、利用するメリットがある一方でデメリットもあります。利用後に「こんなはずでは」とならないように利用前にデメリットを把握しておきましょう。Shopifyを利用する主なデメリットを4つご紹介します。
- 機能によっては英語の知識が必要
- 問題解決に時間がかかる
- HTMLやCSSの知識が必要な場合がある
- Shopifyのカテゴリには階層構造がない
機能によっては英語の知識が必要
Shopifyの機能の多くが日本語に対応しているものの、サードパーティー製のアプリなどは英語の知識が必要になる場面もあります。
また、Shopifyの電話サポートも英語のみの対応なので、利用するには英語力がないと難しいでしょう。
問題解決に時間がかかる
Shopifyの製造元が海外であることから、不具合が起こった場合、日本発のECサイトと比較すると問題解決に時間を要する場合があります。
HTMLやCSSの知識が必要な場合がある
Shopifyは手軽にECサイトが作れるとはいえ、デザイン性の高いECサイトを構築するには、HTMLやCSSの知識が必要です。自社で構築するのが難しい場合は、外注を活用するのがいいでしょう。
Shopifyのカテゴリには階層構造がない
Shopifyはカテゴリ構造が1階層しかないため、ツリー構造のようなカテゴリを検討しているEC事業者には不向きと言えます。
Shopifyの料金プラン
Shopifyの料金プランはスターター、ベーシック、スタンダード、プレミアム、Shopify Plusの5種類から選ぶことができます。次は、プランごとの違いを解説します。
スタータープラン
スタータープランは、月額5USドル(約745円)で始められるプランです。Shopifyの中では一番低価格で利用できますが、機能が制限されています。
スタータープランでは、ECサイトの構築はできませんが個人のウェブサイトやブログなどに購入ボタンを埋め込むことは可能です。ECサイトの構築はせず、カート機能のみ使いたい方におすすめです。
ベーシックプラン
ベーシックプランは、月額33USドル(約4,900円)と低コストで始められるプランです。
スタッフアカウントと呼ばれる管理画面を操作できるアカウントの数が2つと少ないですが、ECサイトの構築や管理に必要な機能は揃っています。
まずはECサイトを始めたいといった事業者におすすめのプランです。
スタンダードプラン
スタンダードプランは、月額92USドル(約13,700円)で始められるプランです。 スタッフアカウント数は5つまで使え、プロフェッショナルレポートという機能が利用できるので商品単位の販売データやユーザー分析が可能となります。
また、越境Cに必要な為替レートの設定や国ごとのドメイン設定などの機能もスタンダードプランから使えるようになります。
プレミアムプラン
プレミアムプランは、月額399USドル(約59,400円)で始められるプランです。スタッフアカウント数は15と最も多く、スタンダードプランよりもレポート領域、マーケティング領域でできることが増えます。外部サービス利用時の送料の自動計算機能も追加されるので、送料計算が楽になるというメリットもあります。
また、販売手数料も3.25%と最も低いため、一定の売上が見込める事業者におすすめのプランです。
Shopify Plus
Shopify PlusはShopifyの中でも最上位のコースで月額2,000USドル~(約298,000円~)から利用できます。
料金は高いものの、プランの中で一番機能性が高いという特徴があります。また、スタッフアカウント数に制限がないので、事業が拡大した際にスタッフを増員しやすくなっています。大規模なEC事業者におすすめのプランです。
※2023年10月時点のレート1USドル約149円で計算。
Shopifyの機能
ShopifyにはEC事業を行う上で有効な機能や連携が充実しています。
たとえば、クーポンコードやギフトカードの発行、かご落ち防止、InstagramやGoogle広告などSNSやマーケティング領域の連携など。続いてはShopifyで使える主な機能をご紹介します。
購入の後押しになるかご落ち防止機能
かご落ちとは、カートに商品を追加したものの決済せずにサイトから離れてしまうことを言います。
Shopifyでは、かご落ちしてしまったお客様に対してメールでリマインドをすることができます。送るタイミングは選択でき、メールの内容は自分で編集することが可能。開封してもらえるように文面を工夫することができます。
また、一定期間かご落ちしているお客様にクーポンを発行できる機能もあるので購入の後押しとして活用できます。
▼割引率・割引額、最低購入金額、利用ユーザー制限などを設定して簡単にクーポン発行が可能
再訪や顧客獲得に使えるギフトカードの発行機能
Shopifyにはギフトカード機能があり、無料または有料(金額設定可)のギフトカードを発行することができます。
たとえば、キャンペーンや、ユーザーの誕生日にあわせて発行し、サイトへの再訪や購入を促すことに活用できます。ギフトカードは商品としても発売できるので、プレゼント用として既存顧客に使ってもらうことも可能。ギフトカードを受け取った方にサイトを認知・利用をしてもらうことができ、新規顧客の獲得につながるでしょう。
販売機会を増やせる販売チャネルの追加機能
Shopifyでは、楽天市場、Facebook、Instagram、Pinterest、LINEなど外部チャネルとの連携が可能。販売チャネルの追加によって多くのユーザーに商材をアプローチすることができ、販売機会を創出できます。
販売チャネルを追加してもShopifyで在庫の一元管理ができるので、チャネルごとに在庫管理をする手間がありません。
また、ShopifyのPOSシステムを活用すると倉庫や実店舗をロケーション単位で在庫管理することができ、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ったり、返品・交換対応をすることも可能になります。
見込み客の獲得に効果的なGoogle広告との連携
ShopifyはGoogle広告と連携することができます。世界中で利用されているGoogleに広告の出稿ができれば、国内外問わず多くのユーザーに商品をアプローチすることが可能です。
Google広告はキーワードだけでなく年齢や性別、地域、趣味などによる精度の高いターゲティングができます。商品のターゲットとなるユーザーに絞って配信をすれば見込み客の獲得が期待できます。
戦略立案やサイト改善に使える分析機能
ShopifyでECサイトを構築すると「ストア分析機能」が使えます。ストア分析機能では、ECサイトの取引内容を分析することができます(料金プランによって分析できる項目は異なります)。
ストア分析機能にはダッシュボード、レポート、ライブビューという3つの機能があります。
ダッシュボードではアクセス数やコンバージョン率、注文総数などのデータを確認でき、レポートではさらに詳細なデータを見ることができます。ライブビューでは、ECサイトへのアクセスやユーザーの行動をリアルタイムで確認が可能。
グーグルアナリティクスと連携することもできますが、Shopifyの分析機能だけでもECサイトを運営するうえで必要な分析ができ、販売戦略やサイトの改善に有用な情報を収集できます。
▼ロケーション別、トラフィック別などの切り口で分析が可能。
集客施策に使えるブログ機能
Shopifyにはブログ機能があるので、商品の販売だけでなく情報発信もすることができます。ブログ機能は、ソースコードの記述が極力必要ないようになっているため、初心者でも使いやすいというメリットがあります。
最近のECサイトでは商品情報を掲載するだけでなく情報発信の必要性が高まっています。たとえば、コスメであればメイク方法、家具であればインテリア、アパレルであればファッションコーディネート、キャンプ用品であれば使用シチュエーションや使用手順などが挙げられます。
このようにブログ機能を使うことで商品の活用方法はもちろん、商品誕生までのストーリーや、キャンペーン情報などを発信でき、商品に対する興味・関心を高めることに効果的。
また、ブログで記事を作ることはSEO対策にもなります。上位表示できればブログを通じてECサイトへのアクセス数を増やすことが期待でき、ECサイトに集客することも可能となります。
▼Shopifyのブログエディター。ノーコードで画像、テキスト、表組などの編集が可能。
ShopifyでECサイトを構築する方法
ShopifyでECサイトを構築する方法は、大きく3つに分けられます。いずれもメリット・デメリットが異なるので、違いを理解したうえで構築方法を検討することが大切です。
▼3つの構築方法のメリット・デメリット
区別 | 自社・自分で構築 | フリーランスに依頼 | 制作会社に依頼 |
メリット | 専門的な知識がなくてもサイトを構築できる | 企業に依頼するよりも安価に依頼できる | クオリティの高いサイトの構築や、サイト構築後のフォローにも対応してもらえる |
デメリット | サイトをカスタマイズする際に専門知識が必要なことがある | 依頼する人の能力によって出来栄えが左右されやすい | フリーランスに依頼する場合と比べてコストがかかりやすい |
自社・自分で構築を行う
自社・自分で構築を行う方法は、費用をかけずにサイトを構築したい場合におすすめの方法です。ShopifyはECサイトの運営に欠かせない基本的な機能を備えています。デザインテンプレートを活用すれば、専門的な知識がなくても自力でサイトを構築可能です。手順さえ理解していれば、構築そのものはあまり難しくありません。
ただし、機能を実装するためのアプリの活用やサイトのカスタマイズなど、専門知識がないと難しい点もいくつかありますので、初めてECサイトを立ち上げる方は外注を活用するのがいいでしょう。
フリーランスに依頼する
サイト制作を請け負っているフリーランス(個人事業主)に委託するのもいいでしょう。企業に依頼するよりも安価なことが多いです。 自社で制作するのは難しいものの、あまり費用はかけられない場合におすすめの方法です。
ただし、依頼するフリーランスの能力によって出来栄えが左右する恐れがあり、実績が少ないフリーランスの場合は信頼性も担保されにくいというデメリットがあります。事前に実績の確認や面談などを実施して、スキルの有無を確認しておきましょう。
制作会社に依頼する
制作会社は、サイト構築に関する専門的な知識を有しているため、「自社・自分で構築を行う」「フリーランスに依頼する」という方法よりも高いクオリティが期待でき、大規模なECサイトの構築にも対応可能です。
制作会社を活用することでデザイン性・利便性に優れたECサイトを構築できます。
Shopifyでコード編集なしにデザインをカスタマイズするには限界があります。商材やブランドのルールにあわせるなど柔軟にデザインをカスタマイズするにはHTML、CSS、Liquidの知識が必要です。自社にコード編集に必要な知識を持った人材がいない場合、制作会社を活用することでデザイン性に優れたサイトを構築可能です。
デザインは見た目だけでなく使いやすさにも影響します。必要な情報をわかりやすく伝えることで、ユーザーのストレスを軽減し、購入体験を向上することができるでしょう。
また、マーケティングや運用代行といったサイト構築後のフォローも行っている場合が多い点も、制作会社に依頼するメリットのひとつです。
ECサイトは構築しただけでは売上は伸びません。売上を伸ばすためにデータ分析はもちろん、SEO対策、インターネット広告やSNSの運用、メルマガ配信といったさまざまな施策を展開していくことが求められます。
初めてECサイトを構築する方は、運用に関するノウハウがなく、集客や売上面の課題を解決するのが難しいことも考えられます。構築だけでなく運用経験が豊富な制作会社なら、これまでの経験をもとに成果につながる的確な施策を提案してくれるので、サイトの成長を後押ししてくれるでしょう。
制作会社に依頼するメリットがある一方でデメリットもあります。高クオリティが期待できる分、フリーランスに依頼するよりもコストはかかります。コストと品質を鑑みて、依頼を検討することが重要です。
Shopifyの始め方
Shopifyを使ってECサイトを始めるには、アカウント登録やページの作成、デザインの設定が必要です。こちらでは、ECサイトを立ち上げるまでの流れをご紹介します。
【Shopifyの始め方】- アカウントを登録する
- デザインの設定とカスタマイズをする
- 商品を登録する
- ページを作成する
- 送料・決済方法を設定する
- テスト注文を行う
1.アカウントを登録する
まず、Shopifyでアカウント取得を行います。 Shopifyのホームページ にアクセスし、入力欄にメールアドレスを入力し「無料体験をはじめる」をクリックします。
その後、Shopifyの簡単なアンケートに回答してIDを選択する、またはメールアドレスとパスワードを登録すればShopifyを利用する準備が整います。IDに設定したメールアドレスに認証用のメールが届くので認証を完了しましょう。
Shopifyには無料体験期間があるため、3日間は無料で利用できます。(※2023年10月時点)
2.デザインの設定とカスタマイズをする
次に、自社やブランドのテーマに合わせてデザインの設定を行います。Shopifyでは、自社やブランド独自のデザインを設定することが可能です。デザインの設定にかかる時間は、サイト規模や、デザイン性にどのくらいこだわるのかによっても異なります。
商品ページ、購入ボタンなど、必要に合わせてカスタマイズを行えるほか、独自の機能や導線、特集ページなどを設定して、フルカスタマイズすることも可能です。
また、Shopifyの“テーマストア”では、世界レベルのデザイナーによる数々のテーマが販売されており、これらのテーマを利用して、コーディングによる編集なしで簡単にデザインの設定やカスタマイズを行うこともできます。
3.商品を登録する
管理画面から販売する商品の登録を行います。商品登録では、商品の詳細を入力して、画像をアップロードします。ただし、大量にある商品を1つずつ登録するのは骨の折れる作業です。
そこで利用できるのがCSVファイルです。日本語で“カンマ区切り”とも呼ばれるCSVは、文字列をカンマで区切って記載するファイルを指します。
Shopifyでは、Shopifyが指定した項目に合わせてCSVファイルを作成すれば、一括で商品情報をインポートすることが可能です。この方法を利用することで、商品登録にかかる手間や時間を抑えつつ、他サイトに掲載していた商品をShopifyで立ち上げたECサイトに取り込むこともできます。
4.ページを作成する
お客様との窓口になる「お問い合わせ」と「特定商取引法に基づく表記」を記載したページを作成しましょう。どちらもテンプレートが用意されており、入力フォームに記載することでページを作成できます。
特定商取引法とは、違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律。ECサイトも特定商取引法の対象となる類型に該当します。
ECサイトを運営するには、消費者トラブルを避けるために特定商取引法に基づく一定の事項をお客様がわかるように表示する必要があります。
参考:特定商取引法ガイド「特定商取引法とは」5.送料・決済方法を設定する
送料を設定する際は、配送サービスの料金を基にして料金を設定します。送料は、発送先の都道府県ごとのほか、東北、関東、九州など、エリアごとに設定することも可能です。
また、決済方法の設定は“決済サービス”から管理します。決済方法には、クレジットカードのほかPayPal、Apple Payなどのオンライン決済、暗号通貨を決済方法に追加することもできます。
Shopifyでクレジットカードによる支払いを有効にするには、Shopify ペイメントもしくは外部サービスプロバイダーを利用する方法があります。
▼Shopify ペイメントと外部サービスプロバイダーの比較
区別 | Shopify ペイメント | 外部サービスプロバイダー |
特徴 | ・外部決済サービスやマーチャントアカウントの設定が不要 ・Shopify ペイメント、Shop Pay、Shop Payの分割払いなど、Shopifyが指定する方法で処理された注文には手数料がかからない |
・100を超えるクレジットカード決済サービスから選択できる ・顧客が外部サービスプロバイダーを利用して商品を購入するごとに取引手数料がかかる |
6.テスト注文を行う
送料・決済方法を設定したら、公開前にテストを実施します。テストの実施により、注文処理、配送、メール通知などが正しく設定されているかを確認します。
テストは、ShopifyのBogusゲートウェイを利用することで、取引のシミュレーションが可能です。Shopify ペイメントを使用している場合、Shopify ペイメントのテストモードを使用することもできます。
そのほか、実際に決済サービスを利用したあと、ただちに注文をキャンセルし、返金処理を行うことによってもテストの実施が可能です。ただし、この方法では使用する決済処理サービスから手数料を請求されるケースがあります。
Shopifyを活用したECサイトの構築期間
Shopifyを活用したECサイトの構築期間は、通常は3ヶ月程度を見積もっておきましょう。
アプリを導入する場合は、組み合わせによってうまく機能しないことも考えられます。検証や開発元に問い合わせたりする工程が発生するので、構築期間が延びる可能性があることも考慮し、スケジュールをたてるといいでしょう。
ECサイトをShopifyで構築する費用相場
Shopifyを使ったECサイトの構築にかかる費用は、どれくらいの機能を実装したいか、どの制作会社に依頼するかに応じて異なります。
費用相場 | プランの例 |
50~100万円 | ・ECストア・ドメイン設定 ・無料テーマの適用・カスタマイズ ・商品登録(30点まで) ・公開までの導入サポート など |
100~300万円 | ・画像の加工 ・機能・デザインのカスタマイズ ・商品登録(50点まで) ・オリジナルページの作成 など |
300~1,000万円 | ・独自機能の追加 ・デザインのフルカスタマイズ ・商品登録(50点~) ・会計システム・基幹システムとの連携 など |
基本的な機能だけでECサイトを構築する場合は、数十万円程度が相場です。機能やデザインをカスタマイズしてオリジナルのECサイトを構築する場合は、100~300万円程度が相場になります。
また、より大規模なECサイトを構築したり、基幹システムとの連携や独自機能の搭載を行ったりしたい場合は、1,000万円以上の費用が発生する場合も考えられます。
制作会社の選び方
日本でもShopifyの構築・制作事業を手掛ける会社が増えており、どの会社を選べばいいのか、EC担当者の方は悩んでしまうかもしれません。
ここからは、制作を依頼する会社の選び方をご紹介します。
制作実績があるかどうか
最初に確認しておきたいのが、Shopifyでサイトを制作した実績があるかどうかです。 制作実績が豊富な会社なら、Shopify公認の制作会社(Shopify Experts)ではない場合も、安心して依頼できます。
また、ホームページなどに制作実績を掲載している場合もあるので、あわせて確認しておくと安心です。自社が求めている雰囲気のサイトを制作できるかを事前に知ることができます。
EC事業自体への理解度
Shopifyではなく、ECサイトそのものの理解度も確認しておきましょう。ECサイトは、構築したからといって必ず売上に結びつくわけではありません。
たとえば、デザインが整っていても、メタ設計やカテゴリ設計など、SEO領域に問題があった場合、オープン後の集客力に大きな差が生まれてしまいます。
売れるECサイトに必要な機能やデザイン、SEOも含めた集客プラン設計、CRMへの理解など、EC事業における理解が深い企業を選ぶと安心です。
サイト構築後の運用支援もポイント
サイト制作のみを受け持つ企業や、操作方法や分析といった運用部分まで一貫して受け持ってくれる企業など、制作会社によってサポートの手厚さは異なります。
自社のサイト運用のノウハウが不足している場合は、サイト構築後の運用支援といったサポートを行っているかどうかも把握しておきたいポイントです。
Shopifyを使ったサイト制作事例
AtoJ(エートゥジェイ)では、ShopifyでECサイトの制作・構築を行っています。 弊社でShopifyを使ったECサイトの制作実績をご紹介します。
「SAVE THE DUCK」 ECサイト
有料のデザインテーマを選定し、そこにデザインカスタマイズを追加する形でサイト構築を行いました。アプリの選定も弊社で行っています。
「chocozap」ECサイト
RIZAP社のECサイト構築をShopify Plusで行いました。zapIDという会員基盤と連携するため、mulitpassAPIを利用して開発しています。
AtoJでShopifyを使ってECサイトを制作する場合
AtoJでは、ShopifyでECサイトの制作・構築を行っています。弊社でShopifyを使ってECサイトを制作する際の費用感や期間は以下の通りです。
・費用:95万円~/150万円~/250万円~
・制作期間:約1か月~
※具体的な制作期間はデザインの制作範囲や利用するテーマやアプリなど要件によって変化します。
Shopify構築は自社に適した制作会社に依頼しよう
Shopifyは、比較的手軽にECサイトを作れるのが魅力です。 基本的な機能だけで良いのなら、自力でサイトを作ることもできます。
一方で、アプリを使って機能を拡張したり、オリジナルデザインのサイトを作ったりしたい場合は、ECサイトやShopifyへの知見が欠かせません。 そのため、信頼できる制作会社に依頼することをおすすめします。
また、ECサイトで売上を出すためには、構築だけでなく、マーケティングなどの運用面も重要です。
AtoJでは、ECサイトの構築から運用まで、企業様の課題に合わせてご提案いたします。Shopifyを利用したECサイトの構築やマーケティングでお悩みの方は、 「お問い合わせ」 からお気軽にご相談ください。
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