
近年、EC(electronic commerce)市場の拡大によってECサイトを構築する企業が増えてきました。新規サイトの構築やECサイトのリニューアルに向けて、デザイン領域の情報収集されている方も多いはず。 しかし、「自社のECサイトはどのようなデザインであるべきか」「ユーザーの最適な行動導線を考えたデザインにしたい」「デザインを外注すべきか、する際の注意点は?」などと悩むECの担当者は少なくありません。
また、制作会社へ依頼する際には、担当者自身がデザインの方向性や重要性を理解しておかなければ、適切に依頼するのが難しいといえます。そこで、ここではECの担当者に向けて、売れるECサイトデザインの基本や担当者が押さえるべきポイントを解説します。
【目次】
■ユーザーからの信頼やCV率向上につなげる手段
・ECサイトにおけるデザインの役割と重要性
・実用性を優先
■売れるECサイトデザインの特徴
・【ポイント1】サイトコンセプトを明確にする
・【ポイント2】機能性にこだわる
・【ポイント3】商品ページ・ファーストビュー・ページ下部にこだわる
■デザイン設計を失敗しないためには
■売れるECサイトデザインは制作会社選びから
ユーザーからの信頼やCV率向上につなげる手段
ECサイトのデザインは、顧客の信頼やCV率の向上につなげるための役割を担っています。サイトを閲覧する際、ユーザーが不安を感じたり、「信頼できない」と思えば、離脱や直帰を回避するのは困難です。
ここでいうデザインには、ECサイト全体の配色や画像だけでなく、以下の項目も含まれます。
- ・コピー
- ・商品情報
- ・ユーザーレビュー
- ・会社情報
- ・送料やキャンセルなどの利用ガイド
ユーザーに安心してECサイトを利用してもらうためには、サイトに訪問した際に直観的に受ける印象や操作性、掲載している情報(コンテンツ)などをユーザー視点で設計する必要があります。
ECサイトにおけるデザインの役割と重要性
ECサイトでCV率の向上を図るうえで、デザインが担う役割は決して小さくありません。ユーザーに「このECサイトは信頼できる」と感じてもらうためには、次のポイントを押さえたデザインの構築が重要です。レコメンドや決済など一部、機能面の話しもありますが、幾つかポイントを取り上げます。
- ・目的の商品までスムーズに到達できるか
- ・ユーザーが今まで知らなかった商品との新しい出会いを創出できる演出や情報設計になっているか
- ・商品ページは購買判断がつく情報が十分に掲載されているか
- ・商品購入までの導線はスムーズか
- ・決済方法は充実しているか
なお、商品ページに関しては、商品のスペックや画像といった情報はもちろん、使い方や到着予定日、セール期間、おすすめポイントを掲載することで、ユーザーの購買判断を促します。 また、実際に商品を手にした方からのレビューを掲載することによって、ユーザーの信頼や購買意欲を高めることも期待できます。
実用性を優先
売れるECサイトデザインの基本は、ユーザー目線での実用性を優先しているかどうかがポイントです。
たとえきれいなデザインであっても、操作性や購入導線がはっきりしないECサイトであれば、商品を購入する前に離脱してしまいます。 オリジナルデザインも大切ですが、商品情報の見やすさ、情報の探しやすさ、購入導線のわかりやすさなどを重視したデザインを目指すべきでしょう。こうした実用性重視の考え方は、UX・UIデザインの考え方の基本につながります。
売れるECサイトデザインの特徴
売れるECサイトデザインを設計できる制作会社は、実用性重視の基本を押さえつつ、お客さまの思考導線まで考えてデザインを行います。人間心理も考慮した提案をする制作会社であれば、安心してデザインを任せられるはずです。
ここでは売れるECサイトデザインの特徴を、3つに絞って紹介します。
【ポイント1】サイトコンセプトを明確にする
ECサイトのデザインを決める際は、明確なサイトコンセプトを決めておく必要があります。サイトコンセプトは、サイトの方向性を示すうえで重要な要素です。
サイトコンセプトを明確にすることで、サイトのレイアウトや配色、ロゴなどを検討する際の主軸にできます。 サイトコンセプトは、以下の行程を踏むことで明確にしやすくなります。
ユーザー理解
自社の商品を購入してくれる人物のモデルとなるユーザーを理解することで、ターゲットに響きやすいサイトデザインを検討しやすくなります。実際に自社の商品を購入してくれたユーザーにデブスインタビューやアンケート等の手段でリサーチする方法があります。
なお、ペルソナを設定する際は、年齢や性別などのデモグラ情報だけではなく、できるだけ細かい人物設定を行うことがポイントです。
▼ペルソナの設定項目の例
- ・性別
- ・年齢
- ・職業
- ・住まい
- ・年収
- ・家族構成
- ・趣味嗜好
- ・商品の想定利用シーン
- ・自社の商品を利用している理由や背景など
ブランド設計・デザインレギュレーション
ブランド設計とは、自社や自社商品に対して持ってほしいイメージを自社で創作したうえで、消費者に提示することです。
どういった価値(Unique Selling Proposition)を提供していくのかを明確にし、メッセージやデザインで訴求していきます。飽和状態ともいわれるECサイト市場においては、ブランディングによって競合他社との差別化を図ることが重要といえます。
また、一定のデザインレギュレーションを設けることで、運用フェーズに入ってもサイトに統一感をもって運用することができます。
【ポイント2】機能性にこだわる
ECサイトは、サイト全体の見やすさはもちろんのこと、機能性にこだわることも欠かせません。 取り扱う商品や利用シーンによって変わりますが、多数のサイトではスマートフォンが大多数の割合を占めています。サイトデザインにおいては、スマホユーザーのことを考慮したうえで、どの要素をどの位置に設計するかが重要です。
▼スマホユーザーを考慮したデザイン設計の例
- ・優先順位の高い情報を上部に設置する
- ・狭い画面の中での設計になるので、情報の取捨選択を検討する
- ・コンテンツを縦に並べるだけでは無く、横のスライドも利用する
上記に合わせて、購入までのプロセスを最小限に抑えることも大切です。ユーザーができるだけ少ないクリック・タップ数で購入を完了できるように、シンプルな設計を意識する必要があります。
【ポイント3】商品ページ・ファーストビュー・ページ下部にこだわる
売れるECサイトデザインのポイントとして、商品ページ・ファーストビュー・下部ページといった、部分ごとに適した施策を施すことが挙げられます。
商品ページ
商品を紹介するページでは、一定の規則性を持たせることでユーザーのストレスを軽減できます。レイアウト・表示方法・掲載順番・文体などを統一しておきましょう。
また、商品紹介にも工夫が必要です。デメリットも記載する、写真や動画で見やすくする、自社購入ならではのベネフィットを紹介するなど、お客さまへしっかりと訴求できるデザインに仕上げます。
ファーストビュー
お客さまがサイトへ訪問した際、最初に表示されるページがファーストビューです。
ファーストビューが情報過多になると何のサイトなのか伝わりきらず、離脱につながります。また、離脱を防ぐには、ファーストビューの表示速度が遅くならない工夫も必要です。
ページ 下部
ページの下部にはレコメンド情報(類似商品・合わせ買い提案など)、ランキング、レビューコンテンツ等を表示させることで、追加購入を促せます。
デザイン設計を失敗しないためには
売れるECサイトデザインの企画・制作を進めたとしても、デザイン設計における基本的な部分を押さえておかなければ、デザインの効果を100%発揮できません。
ターゲットを設定に合わせたECサイトデザイン
ECサイトデザインは、あくまでKGI・KPIを達成するための手段の1つです。事前にターゲットやペルソナを設定し、それらに沿ったデザインを依頼しましょう。
スマートフォンをベースに考える
ECサイトデザインは、パソコン・スマホの両方に対応できるデザインを制作しますが、現在はパソコンよりもスマホ経由のユーザーが増加しており、トラフィックも増えています。
特にECサイトによってはスマホユーザーの方が多いサイトも多々あります。スマホを起点とした情報設計・デザインが重要です。
売れるECサイトデザインは制作会社選びから
今回は売れるECサイトデザインとして、重要性や特徴について紹介しました。 ここまで紹介したデザインのポイントを理解し、売れるECサイトデザインに昇華できる会社を選ぶことが大切です。実用性を重視した提案・サポートをしてくれる制作会社かどうかを確認しましょう。
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