ECサイトでも必須! SEO対策の重要性とポイントを解説
 
年々成長を続け、存在感が増しているEC市場。競合が多い中で売上を伸ばすには、サイトそのものの認知度を高めて、流入数を増やさなければいけません。サイトの認知度を上げる方法はいくつか考えられますが、その中でも有効な施策のひとつに「SEO対策」が挙げられます。
ここでは、ECサイトにおけるSEO対策の重要性や、具体的な対策方法の例をご紹介します。


【目次】
■ECサイトにおけるSEO対策の重要性
■ECサイトにおけるSEO対策のポイント
1.サイト構造の最適化
・ディレクトリ(ページの階層)構造を最適化する
・内部リンクの最適化
・商品情報を適切に記載する
・画像の最適化
・重複ページに対処する
・販売終了品への対処
2.ユーザビリティの向上
・ページの表示速度の改善
・モバイルフレンドリー化
・SSLの設定
3.コンテンツ対策
・キーワードの選定方法
・オリジナリティを意識したコンテンツ作り
・記事ページから商品ページへの誘導
■SEO対策を行って売上を伸ばそう

■ECサイトにおけるSEO対策の重要性


ECサイトを立ち上げる一番の目的は、商品を販売して利益を上げることです。商品が売れるには、前提としてサイトにユーザーが訪れなければいけません。
ユーザーの流入数増加を狙うためには、SEO対策の実施が重要です。SEOとは「検索エンジン最適化」のことで、Googleなどの検索エンジンに評価されるようサイトを最適化し、特定のキーワードの検索結果で上位表示を目指す手法を指します。

サイトの認知度を高める手法としては、広告出稿も代表的な手法です。即効性が高く、すぐに効果を期待できる反面で、出稿費用がかさみやすいうえ、配信を止めると流入も途絶えてしまいます。
一方で、SEO対策は効果が出るまでに時間はかかりますが、着実に流入数と利益の増加が期待できる施策です。

ただし、ユーザーをサイトにたくさん集めても、商品を購入してもらえなければ意味がありません。闇雲に集客を狙うのではなく、購入につながりやすいユーザーをサイトに呼び込むことが重要です。

■ECサイトにおけるSEO対策のポイント


ECサイトにおけるSEO対策は、大きく「サイト構造の最適化」「ユーザビリティの向上」「コンテンツ対策」の3つに分けられます。
ここからは、それぞれの対策の特徴やポイントについて解説していきます。

1.サイト構造の最適化


ECサイトの検索順位を高めるには、掲載する商品数や商品情報の充実、内部リンクの最適化など、サイトの構造そのものに工夫が必要です。
ただ、前提としてページがインデックス※1されなければそもそも検索結果に表示されないため、インデックスされるサイト構造であることもとても重要です。

※1 Googleのbot(クローラー)によりページの情報が収集されて、検索エンジンのデータベースに登録されること

サイト構造の改善方法と、それぞれのポイントをご紹介します。

・ディレクトリ(ページの階層)構造を最適化する


サイトのディレクトリ構造の最適化は、重要な施策のひとつです。ディレクトリ構造とは、トップページやコンテンツページ、商品ページなど、ページ間のつながり(階層)のことです。
ユーザーが商品を検索しやすい最適なディレクトリ構造は、SEO対策として欠かせません。

サイトの階層構造をシンプルにすれば、少ないクリック数で目的のページまでたどり着けるようになり、ユーザビリティが向上します。
また、Googleのクローラビリティ※2が向上してインデックスされやすくなる点もメリットです。

※2 Googleのbot(クローラー)によるページ情報収集の効率性

・内部リンクの最適化


内部リンクがしっかりしていないと、サイト内のページがインデックスされない可能性があります。内部リンクの最適化も、欠かせないSEO対策のひとつです。
内部リンクとは、自社サイト内でページ同士をつなげるリンクのことで、関連ページへのリンクやサイト上部のパンくずリスト、サイトマップなどが例として挙げられます。

また、内部リンクの最適化に加えて、外部サイトから自社サイトにリンクを貼ってもらう「外部リンク(被リンク・バックリンク)」も重要です。とはいえ、外部リンクはただ数が多ければ良いわけではありません。信頼性の高い良質なサイトからの外部リンクでないと評価を得られないようになっています。
一昔前は、全く関係が無いサイトからの外部リンクを大量に設置することでも検索エンジンの評価が高まるようになっていました。そのため、内容が薄くユーザーのためにならないページを、膨大な外部リンクの数で上位表示させる「ブラックハットSEO」※3と呼ばれる手法が横行していました。現在は全くSEO評価に繋がらないため、無駄な費用を払うことになります。

※3 検索エンジンのアルゴリズムの隙をついたSEO対策手法。後のアップデートで大きく順位が下落する可能性が高く、本質的なSEO対策ではないため非推奨

外部リンクの質や量を自社でコントロールするのは難しいので、リンクを貼ってもらえる可能性が高い、良質なコンテンツを発信し続ける必要があります。

・商品情報を適切に記載する


ECサイトの商品ページには、商品名やディスクリプション(商品概要)、画像、商品詳細といった情報を適切に記載しましょう。
見出しタグやリストタグなどを活用して、検索エンジンが商品情報を理解できるようにすることも大切です。ページの質が高まり、検索エンジンから商品ページが評価されやすくなります。

・画像の最適化


多数の商品を取り扱うECサイトは、一般的なサイトに比べて画像情報が多くなる傾向にあります。画像にもSEO対策を施すことが重要です。
具体的には、画像の情報をクローラーに説明する代替テキスト「altタグ」を設定するようにしましょう。何が写っているのか、どんな画像なのかといった情報をクローラーが理解しやすくなり、SEO効果が期待できます。

・重複ページに対処する


重複ページがサイト内にあると、検索エンジンからの評価が分散してしまい、検索順位が上がりにくくなる可能性があります。
サイズ違いや色違いの商品を別ページとして登録していたなど、ECサイトは気付かないうちに重複コンテンツが発生していることが考えられます。

不要なページは削除する、noindexタグを記述する、サイズ違いや色違いの商品は1ページにまとめる、重複コンテンツをリライトする、canonical属性タグでURLを正規化するといった対処が必要です。

・販売終了品への対処


販売終了や欠品している商品ページへの対処も、SEOの評価につながります。販売していない商品ページを放置していると、クローラーに影響を及ぼすだけでなく、ユーザーにとって使いにくいサイトとなってしまうためです。

一時的な欠品の場合はその旨を記載し、販売終了の場合はページのステータスコードを404に設定して販売終了を伝えてください。併せて、類似商品を紹介するのがおすすめです。
また、今後完全に取り扱うことがないのであれば、ページそのものを削除してしまうのも良いでしょう。

2.ユーザビリティの向上


詳細な商品情報を載せていたり、内部を最適化したりしても、サイトそのものが使いにくければユーザーは離脱してしまいます。SEOの評価が下がる間接的な原因にもなり得るので、使いやすいサイトを作り、ユーザビリティを高めることもポイントです。
ユーザビリティを高める施策の例としては、以下が挙げられます。

・ページの表示速度の改善


ページの表示速度が遅いと、ユーザーの離脱率は高まる傾向にあります。モバイルサイトの場合、Googleによると“読み込みに3秒以上かかるページは53%の訪問者が離脱している”そうです。ページ速度が遅いサイトは評価が下がり、検索順位も悪化する恐れがあります。

表示速度を計測するツールを活用して、どれくらいの速さでページが表示されるか確認しておきましょう。
ページ速度は、「Google Search Console(サーチコンソール)」や「PageSpeed Insights」といった無料ツールでチェックできます。また、Google Search Consoleでは、コアウェブバイタルと呼ばれるユーザー体験の質を計測する3指標も判定可能です。

計測の結果によっては、商品画像の圧縮やリサイズ、HTMLやCSSの最適化、サーバーの応答時間の短縮といった対策を行い、ページ速度を改善する必要があります。

・モバイルフレンドリー化


近年は、パソコンではなくスマートフォンやタブレットといったモバイル端末でネットを閲覧するユーザーが増えています。スマートフォンでの閲覧に適していないページは評価が悪くなり、検索順位も落ちる可能性があるため注意が必要です。
モバイル端末向けにページを改善・最適化する「モバイルフレンドリー」も、施策として取り入れる必要があります。

Google Search ConsoleやPageSpeed Insights、モバイルフレンドリーテストといったツールでチェックできるので、一度確認しておきましょう。

・SSLの設定


ECサイトでは、クレジットカード番号やユーザーの住所など、多くの個人情報を取り扱うため、セキュリティ対策も重要な施策です。
セキュリティ対策としては、サイト全体のSSL化(常時SSL)に取り組むことをおすすめします。SSLとは、Web上のデータ通信を暗号化しセキュリティを高める仕組みのことです。

常時SSLに対応していないサイトは、安全性が低いとみなされて評価が落ちます。また、ユーザーも安全性が低いサイトの使用は避ける傾向にあるので、SEOだけでなく、売上そのものに悪影響を及ぼしかねません。

3.コンテンツ対策


コンテンツ対策は、商品に関する周辺情報を用意し、ユーザーの流入を促進する手法です。商品購入など、直接的なコンバージョンにはつながりにくいですが、サイトへの流入数を大きく増やせる可能性があります。また、独自情報を掲載することで、競合他社との差別化が図れる点もメリットです。
コンテンツ対策のポイントを、3つご紹介します。

・キーワードの選定方法


ECサイトへの流入を増やすためには、ユーザーがどのようなキーワードで検索するのかを意識してコンテンツを作成することが重要です。自社サイトで取り扱っている商品と関連性が高いキーワードを選び、対策を行いましょう。

この時、検索数が多い「ビッグキーワード」ばかりを選ぶのではなく、2~3の単語を組み合わせた「ロングテールキーワード」を狙うのがおすすめです。例えば、「スマートフォン」はビッグキーワード、「スマートフォン 安い おすすめ」はロングテールキーワードとなります。
ロングテールキーワードは検索数こそ少なくなりますが、その分ユーザーの検索意図が明確です。検索ニーズに適したコンテンツを作りやすく、商品購入につながる可能性も高まります。

・オリジナリティを意識したコンテンツ作り


キーワードが決まったら、コンテンツを作成します。ユーザーにとって有益であることに加えて、オリジナリティの高いコンテンツを作ることを心がけましょう。メインとなるキーワードは、タイトルや見出しに含めることもポイントです。
上記を意識すると、検索エンジンから評価されやすいコンテンツを作れます。オリジナルコンテンツの一環として、スタッフの体験談や専門家監修の解説コンテンツを作成するのもおすすめです。

また、コンテンツ内には、メインキーワードと一緒に使われることが多い「共起語」も意識的に組み込むのも有効です。

・記事ページから商品ページへの誘導


記事コンテンツを作成した場合は、商品ページへのリンクを貼って導線を作っておきましょう。コンテンツが上位表示された際に、集客できたユーザーがそのまま商品ページに遷移してくれる可能性が高まります。
ただし、不自然なリンクにならないよう注意しましょう。

■SEO対策を行って売上を伸ばそう


ECサイトにおけるSEO対策は、通常のWebサイトと同じではありません。画像の数が多くなりやすい、ページ数が増えて重複しやすいなど、ECならではのポイントにも着目したうえで、施策に取り組む必要があります。

一番のポイントは、ユーザーにとって使いやすいか、有益な情報を掲載できているかなどを重視して対策を行うことです。ユーザーが使いやすさを感じるサイトなら、自ずと評価も上がり、売上も伸びていくでしょう。
今回の記事を参考に、ECサイトのSEO対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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