
Googleを使って検索していると「他の人はこちらも検索」という表示を見たことはありませんか?
「他の人はこちらも検索」はユーザーの情報収集を助けてくれるGoogleの機能の1つですが、活用次第ではSEO対策にも使うことが可能です。記事コンテンツの改善を考えている方には見逃せない機能になるでしょう。
こちらの記事では「他の人はこちらも検索」の仕組みや表示の仕方について解説。SEO対策として役立てるための活用例や、実際に「他の人はこちらも検索」を使って記事コンテンツを改善した事例をご紹介します。
OUTLINE 読みたい項目からご覧いただけます。
「他の人はこちらも検索」とは
Googleの検索結果に出てくる「他の人はこちらも検索」は、検索したキーワードに関連するキーワードを検索結果に表示してくれる機能です。海外では「people also search for(略称:PASF)」と呼ばれています。
「他の人はこちらも検索」はPCとSPによって表示される位置が異なっており、PCでは検索結果の下部に表示されています(以下の画像参照)。

SPでは検索結果の中ほど(上位ページの合間)と下部の2か所に表示されます。
「他の人はこちらも検索」の仕組み
では、「他の人はこちらも検索」がどのような仕組みで表示されているのか探っていきましょう。
「他の人はこちらも検索」という文字の右横にある縦三点リーダーを押すと以下が表示されます。
ソースについて:他のユーザーが類似の検索で使用した他のキーワードです
検索とこの結果について:この検索結果には検索キーワードに関連する候補が含まれています
上記のことから、「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードは、検索したキーワードに関連性が高く、ほかのユーザーがよく調べているキーワードが表示されているのではないかと考えられます。
では、なぜこのような機能が使われているのか?それは「Googleのアプローチ」を読むとわかります。
Googleの使命は、世界の情報を整理して誰もが便利に利用できるようにすることにあります。だからこそ、検索では、幅広い情報を多彩なソースから簡単に見つけられるようにしています。
引用元: Googleのアプローチ
「他の人はこちらも検索」という1つの機能を通じて、ユーザーが有益な情報にアクセスしやすくしているのではないかと予想されます。
検索したキーワードだけでは満足な情報が得られなかったとき、「他の人はこちらも検索」で関連するキーワードが表示されていれば、ユーザーにキーワードを再考させることなく、スムーズに不足しているとされる情報へとアクセスを促すことができます。
さらに「他の人はこちらも検索」について調べると、このような表示の仕方になっていることがわかりました。
表示される条件が以前とは異なる
「他の人はこちらも検索」の表示の仕方はGoogleによって見直されています。
以前は「上位ページへ訪問後、すぐに検索結果に戻る」という行動により「他の人はこちらも検索」が表示されていましたが、現在(2024年9月時点)では、そういった行動をしなくても検索結果にデフォルトで表示されています。
表示される条件が見直されていることから、今後も現状と同じように表示されるとは言い切れず、Googleによって見直される可能性がありそうです。
キーワードによって表示のパターンが異なる
「他の人はこちらも検索」の表示はキーワードによって異なります。実際にいくつかのキーワードを検索してみると以下のパターンが見られました。
- 1ページ目のみに「他の人はこちらも検索」が表示される
- 2ページ目以降も1ページ目と同じ「他の人はこちらも検索」が表示される
- 「他の人はこちらも検索」が表示されない
「他の人はこちらも検索」が表示されなかったのは「コロナウイルス」「SARS」といった感染症について検索したときです。しかし、「インフルエンザ」「はしか」という別の感染症で検索したときは「他の人はこちらも検索」が表示されていたので一概に感染症では「他の人はこちらも検索」が表示されないとは言い切れません。
このように「他の人はこちらも検索」の表示には一貫性がなく、Google独自のロジックにより出しわけられているのではないかと推測されます。
サジェストキーワードとは異なるキーワードも表示される
サジェストキーワードと「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードは同じとは限りません。試しに「就活」というキーワードで検索してみましょう。
▼「就活」で検索時のサジェストキーワード

▼「就活」で検索時の「他の人はこちらも検索」

サジェストキーワードと「他の人はこちらも検索」で同一のキーワードも見受けられますが「就活 資格」「就活 流れ」などはサジェストキーワードには表示されていないキーワードです。
サジェストキーワードには自分がこれまでに入力した検索履歴も反映されますが、「他の人はこちらも検索」には他のユーザーが検索したキーワードが反映されているため、表示されるキーワードが違ってくるのではないかと考えられます。
場所によって表示されるキーワードが異なる
「他の人はこちらも検索」は常に同じキーワードが表示されるわけではなく、検索した場所によって異なる結果が表示されます。
試しに「近くのカフェ」というキーワードで検索してみましょう。以下の画像の左と右の検索結果では同じキーワードを検索しているにも関わらず「他の人はこちらも検索」に表示される候補が違っています。
「Googleのアプローチ」には以下の記載があり、「他の人はこちらも検索」も位置情報に応じて関連性の高い情報が表示されるようになっていると考えられます。
検索は毎日行われていますが、そのうち15%は過去にはなかった内容です。そこで、見つけられる限り最も関連性と信頼性の高い情報を提供するために、自動化されたシステムを使用しています。これらのシステムは、お探しの情報を見つけるお手伝いをするために、さまざまな要因(検索クエリの単語、ページのコンテンツ、ソースの専門性、ユーザーの言語や位置情報など)を考慮しています。
引用元: Googleのアプローチ
「他の人はこちらも検索」は非表示にできる?
「他の人はこちらも検索」は基本的に非表示にはできません。
以前はPCのみ、バツ印を押して一時的に「他の人はこちらも検索」の表示を消すことができましたが、今はバツ印が出てこないので非表示にすることができなくなっています。
Googleの拡張機能の「No Search For」を使用すると非表示にできるようですが、概要欄に以下の補足があり、今後使用できなくなることが予想されます。
この拡張機能は、Chrome 拡張機能のベスト プラクティスに沿わないため、まもなくサポートされなくなる可能性があります。
引用元: No Search For
「関連する質問」との違いは?
Googleの検索結果には「他の人はこちらも検索」だけでなく「関連する質問」という機能も表示されるようになりました。
「関連する質問」は「他の人はこちらも検索」よりも上部に表示され、検索結果の1ページ目のみに表示されます。
また、「関連する質問」に表示されている項目を押すと、Webページの一部が引用され、回答として表示されることからサイトに訪れなくても知りたい情報がすぐに得られるのが特長です。
▼「関連する質問」の項目を押すとアコーディオンが開いて回答が表示される

また、「関連する質問」というテキストの右横にある縦三点リーダーを押すと、以下の説明が表示されます。
Google でよく検索される質問です
検索キーワードに関連し、次のステップに役立つと思われる質問です
表示の仕方に違いはありますが、「他の人はこちらも検索」も「関連する質問」もGoogleがユーザーの利便性を考慮して取り入れている機能なのではないかと考えられます。
表示の仕方は違っても、知りたい情報をスムーズに知れるという点では、「Googleのアプローチ」にあった以下の考え方に一致します。
”検索では、幅広い情報を多彩なソースから簡単に見つけられるようにしています。
引用元: Googleのアプローチ
「他の人はこちらも検索」はSEOに活用できる
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードは、コンテンツを運用している方にとって見逃せないキーワードです。うまく活用できればSEO対策になり、ページを上位表示できる可能性があります。
記事の前半で、「他の人はこちらも検索」には検索したキーワードに関連性が高く、ほかのユーザーがよく調べているキーワードが提示されているとお伝えしました。このことから、ユーザーは検索したキーワードで満足な情報が得られず、関連するキーワードで検索を続けているのではないかと考えられます。
試しに「カバン 収納方法」で検索してみます。「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードはこちらです。

「自立しないバッグ 収納」「バッグ 収納 100均」など、より具体的な収納方法が検索されていることがわかります。「カバン 収納方法」の上位記事や「関連する質問」でも知りたかった情報が得られなかったユーザーが、より具体的なキーワードで検索行動を続けているのではないでしょうか。
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードをもとにユーザーにとって有益なコンテンツを作ることができれば、Googleからの評価が期待でき、上位表示も見込めるでしょう。
続いては、「他の人はこちらも検索」が具体的にどのように記事コンテンツの改善に役立てられるのか紹介していきます。
不足している情報の追加
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードを参考に、現状の記事コンテンツに不足していると思われる情報を追加しましょう。検索キーワードとそれに付随する情報をカバーできる網羅性のある記事にすることができます。
たとえば「カバンの収納方法」を知りたいユーザーがいたとします。カバンを収納するアイテムだけでなく、カバンの種類や使用頻度別など具体的に収納方法を紹介することで、より参考になる情報を得ることができるでしょう。
検索したキーワードと関連する情報を追加することによって、検索ニーズを広くカバーでき、ユーザーにとって有益な情報を提供することが可能です。Googleによって、ユーザーに役立つページと判断されれば、検索結果での順位の向上も期待できるでしょう。
ただし、関連するキーワードをひたすらつめこむという行為はやめましょう。不足情報の追加とは、キーワードをただ追加すればいいという意味ではなく、ユーザーにとってニーズのある情報を自然な形で取り入れることがポイントです。
また、1記事に不足している情報をまとめるとコンテンツが長くなり、情報を探しにくくなることも考えられます。その場合は、ピラー記事とクラスター記事にわけて記事を作成するという選択肢もあります。
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新規記事案の検討
「他の人はこちらも検索」は新規記事の企画にも活用できます。
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードを再検索し、上位記事をチェックしてみてください。そのキーワードと関連性の高いページが見当たらなければ、それは穴場のキーワードかもしれません。
検索ボリュームを調べてニーズがあると見込まれる数値であれば、新規記事を作ることで上位表示だけでなく、集客にも貢献する記事にできる可能性があります。
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関連記事の選定
「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードを、記事コンテンツの関連記事の選定に活用するのもいいでしょう。
たとえば以下は「キーワード選定」で検索したときの「他の人はこちらも検索」に表示されるキーワードです。

「ツール」や「SEO」というキーワードが見受けられるので、ツールを紹介する記事を選定したり、SEO対策に関する記事を関連記事として設定することで、その記事を読んでいるユーザーの興味関心が高い関連性のある記事を選定できるでしょう。記事を読んで離脱させず、回遊性を高めることが期待できます。
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「他の人はこちらも検索」を活用して記事を改善した事例
続いては「他の人はこちらも検索」を活用して、実際に記事コンテンツを改善した事例を3つご紹介します。いずれも収納サービスのメディアの改善事例です。
穴場のキーワードで上位を獲得
■施策内容:新規記事の作成
「他の人はこちらも検索」に表示されていたキーワードのなかから1つキーワードを選んで、新規記事を作成しました。
服の収納に関するキーワードを調査していた際、「服収納めんどくさい」というキーワードを発見。検索している方のニーズを調べるために、そのキーワードで検索したところ、「他の人はこちらも検索」のなかに「服をしまう場所がない」というキーワードを見つけました。
「服をしまう場所がない」というキーワードで再検索したところ、「服をしまう場所がない」をメインキーワードとして書かれた記事がなく、それに近いページが上位表示されているという状態でした。
記事を作るかどうか判断するために「服をしまう場所がない」というキーワードの検索ボリュームを調べたところ2,900とニーズが多そうと判断できたので、新規記事を作成することにしました。
施策の結果
- 公開から1か月後にセッション数が約10倍に増加
- 公開から1か月後に上位を獲得
- 記事から「お問い合わせ」への遷移も発生
公開の翌月にはセッションが大幅に増加し、そのなかからお問い合わせにつながる行動も見られました。競合が未対策の穴場のキーワードだったこと、そのうえ、コンバージョンにも近いキーワードであったことが、この結果につながったのだと考えられます。
キーワードの調査には、サジェストキーワードを一括で取得できるツールを使うのも便利ですが、実際に気になるキーワードで検索して、「他の人はこちらも検索」からニーズを探っていくことで新たなキーワードを発見することができることがわかりました。
見出しを調整してセッション数増加
■施策内容:雑誌の収納保管方法がテーマの記事をリライト
セッション数が減少傾向なことから、リライトして改善することにしました。
雑誌の収納に関するキーワードを調査していたところ「他の人はこちらも検索」に「曲がらない」「そのまま」「大量」というキーワードを発見。雑誌の収納について調べているユーザーは以下のニーズがあるのではないかと推測しました。
- 曲がらないようにして雑誌を収納したい
- 解体しないでそのままの状態で収納したい
- 大量にある雑誌を収納したい
いずれもリライト前の記事ではカバーできていなかったので、リライト時に「曲がらない」「そのまま」「大量」といった関連キーワードをカバーし、情報を追加しました。
施策の結果
- 各関連キーワードからセッションが発生
- キーワードによってはセッションが10倍に増加
リライトから1か月後、追加した関連キーワードからセッションが発生しており、課題であったセッション数を改善することができました。
キーワード別で見るとセッション数が10倍に増加した関連キーワードもあり、「他の人はこちらも検索」を活用したリライトは改善に効果的だったと判断できます。
情報を追加してセッション数増加
■施策内容:布団収納がテーマの記事をリライト
セッション数が減少傾向だったのでテコ入れのためにリライトを実施しました。記事のメインキーワードで検索してみると「他の人はこちらも検索」の中に「毎日」というキーワードを発見。
元々は長期保管をテーマにした記事だったので、毎日の布団収納に関する情報はカバーできていませんでした。ニーズを考慮し、記事を長期保管と毎日の布団収納、それぞれを紹介する記事に変更することにしました。
施策の結果
- 追加したキーワードで翌月のセッション数が約6倍に増加
- 店舗ページやお問い合わせへの遷移も発生
- メインキーワード、関連キーワードでの順位向上
リライトから1か月後、追加した「毎日の布団収納」に関連するキーワードでセッション数が約6倍に増加しており、さらに店舗ページやお問い合わせへの遷移も発生しました。集客だけでなく、収納サービスへのニーズを喚起し、コンバージョンにつながる記事にすることができました。
また、ユーザーが知りたい情報を提供し、有益な記事になったことが、おそらくGoogleにも評価され、メインキーワードや関連キーワードでの順位も向上しました。
「他の人はこちらも検索」から見落としていたニーズを発見することができ、記事の改善に役立てることができました。
コンテンツの運用にお困りならAtoJを活用
ここまで「他の人はこちらも検索」の概要やその活用法についてご紹介しました。セッションが減少傾向など、記事コンテンツに課題がある方は今回ご紹介した「他の人はこちらも検索」をもとに改善を検討してみてはいかがでしょうか。
自力での改善が難しいという場合は、外注のサポートを受けましょう。AtoJ(エートゥジェイ)では、これまで100社以上のコンテンツの運用支援を行っており、メディアを成長させるためのノウハウを蓄積。改善のためのサポートが可能です。
AtoJでは、コンテンツを制作する際は新規・リライト問わず、毎回ニーズ調査や競合分析を丁寧に実施。Googleが重視するユーザーにとって役立つ記事を制作することができ、順位の向上が期待できます。
また、コンテンツのSEO対策に長けているコンサルタントも在籍。依頼された際は、メディアが検索エンジンから適切な評価を受けているかを分析し、長年の知見に基づいた最適なアクションプランをご提案します。
記事公開後もこまめにメンテナンスを行っており、公開したら終わりという考え方ではないのもポイント。小さな改善を続け、メディアの成長へとつなげていきます。
コンテンツの改善をしたいが改善策がわからない、人材が不足していて手が回らないという方はAtoJへご相談ください。
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まとめ
今回はGoogleの検索結果に表示される「他の人はこちらも検索」についてご紹介しました。「他の人はこちらも検索」はユーザーのニーズを探るのに役立ち、うまく活用できれば集客やセッションや掲載順位の向上にも役立てられます。
記事コンテンツの改善をお考えの方は「他の人はこちらも検索」を活用してみてはいかがでしょうか。
自社でコンテンツの改善が難しいという方は 「お問い合わせ」 からお気軽にご連絡ください。
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