
ECサイトを運営していくなかで、売上を伸ばすためにWeb広告の出稿を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、Web広告にもさまざまな種類があり、「どれを使ったらいいの?」と困っている方も多いはずです。
そこで当記事では、ECサイトでWeb広告を活用すべき理由、ECサイトで活用できるWeb広告の種類、集客を成功させるポイントについて解説します。
【目次】
■ECサイトにWeb広告を活用すべき理由
■ECサイトで活用できるWeb広告の種類
・1.リスティング広告
・2.Googleショッピング広告
・3.リマーケティング(リターゲティング)広告
・4.SNS広告
・5.アフィリエイト広告
■Web広告でECサイトへの集客を増やすポイント
・1.定量的な目標を設定する
・2.ユーザーの段階に合わせてWeb広告を選択する
・3.ABテストを活用する
・4.PDCAを回して改善を図る
■ECサイトにWeb広告を活用して効率的に集客を行う
ECサイトにWeb広告を活用すべき理由
ECサイトにWeb広告を活用すべき代表的な理由は、以下のとおりです。
- ・ターゲットを絞って広告を届けられる
- ・購入回数や商品閲覧頻度などの効果計測および改善ができる
- ・短期間で成果を得ること(費用対効果が高い)が期待できる
- ・少ない予算からでも出稿できる
- ・AIが広告の最適化を行ってくれる など
Web広告では、「ターゲットを絞った広告の掲載・配信ができない」「効果測定が難しい」「膨大な予算がかかる」といったマス広告の弱点部分を克服できます。
ECサイトで活用できるWeb広告の種類
ECサイトで活用できるWeb広告とひと口にいっても、その種類はさまざまです。Web広告の種類の例は以下のとおりです。
- 1.リスティング広告
- 2.Googleショッピング広告
- 3.リマーケティング(リターゲティング)広告
- 4.SNS広告
- 5.アフィリエイト広告
これらの他にも、Criteo(クリテオ)広告を含むダイナミック広告や動画広告、ディスプレイ広告、アドネットワーク広告、メルマガ広告、純広告、リワード広告、デジタル音声広告などが挙げられます。
1.リスティング広告
リスティング広告とは、ブラウザの検索結果に表示される検索連動型のインターネット広告のことです。ユーザーがGoogleやYahoo!などで検索した際に、検索結果の上部と下部にテキスト広告として表示されます。
リスティング広告は、商品購入を検討しているユーザーに広告を配信することで、高い効果が期待できます。たとえば、「商品名」「ブランド名」「商材名」「商材名+人気」「商材名+おすすめ」などのキーワードに出稿すると、購入見込みの高いユーザーに広告を届けることが可能です。
リスティング広告を出稿する場合、自社ですべてを行うパターンと、広告代理店に委託するパターンの大きく2種類に分けられます。自社で行うなら、GoogleやYahoo!の広告アカウントの開設が必要です。
▼リスティング広告のメリット・デメリット
項目 | 詳細 |
メリット | ・キーワード指定ができるため、商品購入を検討している確度の高いユーザーにターゲティングができる ・即効性や費用対効果が高い ・新規ユーザーを獲得しやすい |
デメリット | ・認知度向上は期待できない ・人気の高いキーワードの場合、価格が高騰しやすい ・相性が悪いジャンル・商品もある |
2.Googleショッピング広告
Googleショッピング広告は、Googleの検索結果の上部に表示される商品画像・テキスト広告のことです。商品画像のみならず、商品名、商品価格、店舗名などの情報も掲載されます。また、Google検索以外に、Google画像検索やYouTube、Gmailなどにも表示されます。
リスティング広告と同様の仕組みですが、リスティング広告よりも表示枠は上位に設定されています。購買意欲のあるユーザーに直接訴求できるため、ECサイトと非常に相性が良いのが特徴です。
ただし、Googleショッピング広告は、Googleが商品に関連したキーワードを自動的に判断し、最適な配信を行います。そのため、Googleショッピング広告を利用するには、Google Merchant Centerへの登録が必要です。
▼Googleショッピング広告のメリット・デメリット
項目 | 詳細 |
メリット | ・ユーザーを直接商品ページへ誘導できる ・クリック単価を抑えられる ・新規ユーザーを獲得しやすい ・リスティング広告や自然検索結果より上位表示される |
デメリット | ・商品フィードの用意・更新が必要 ・キーワード単位での入札設定ができない |
3.リマーケティング(リターゲティング)広告
リマーケティング(リターゲティング)広告は、過去に1回以上、該当ページに訪問したことがあるユーザーに再アプローチできるインターネット広告です。
リマーケティング広告は、GoogleやYahoo!、LINE、Instagramなどの多くの媒体で配信可能です。自社サイトや各媒体でリマーケティングタグを設置し、Cookieによってユーザー情報を取得することで、広告を配信できます。
リマーケティング広告のなかでも、動的リマーケティングはECサイトとも相性が良いです。ユーザーの行動履歴をもとに、閲覧経験のある商品やそれに関連した商品を広告として自動配信されます。
▼リマーケティング(リターゲティング)広告のメリット・デメリット
項目 | 詳細 |
メリット | ・購買意欲のある確度の高いユーザーにアプローチできるため、CV(コンバージョン)につながりやすい ・費用対効果が高い |
デメリット | ・新規ユーザーの獲得はできない ・認知度向上は期待できない |
4.SNS広告
SNS広告は、SNSをプラットフォームとして配信する広告のことです。具体的にはFacebookやInstagram、Twitter、YouTube、LINE、TikTokなどが挙げられます。
各媒体において、テキストや画像、動画による広告をストーリーズやフィードで配信します。SNS広告は、プロアカウントやビジネスアカウントにすることで出稿が可能です。
▼SNS広告のメリット・デメリット
項目 | 詳細 |
メリット | ・幅広いユーザーにアプローチができる ・拡散性が高い ・海外ユーザーも獲得可能 ・細かいターゲティングが可能 |
デメリット | ・年齢層が高いユーザーへのアプローチは難しい ・想定していない拡散のリスクがある ・魅力的なコンテンツが求められる |
5.アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、個人または企業が運営するWebサイトやブログで自社商品をPRしてもらう広告です。多くのアフィリエイト広告は成果報酬型で、ユーザーが商品購入や申し込みを行った際に費用を支払います。
影響力のあるアフィリエイターに広告掲載の依頼ができれば非常に効果的です。アフィリエイト広告を出稿するには、多くのアフィリエイターを管理する「ASP(Affiliate Service Provider:アフィリエイト・サービス・プロバイダー」を利用する方法があります。
▼アフィリエイト広告のメリット・デメリット
項目 | 詳細 |
メリット | ・成果報酬型 ・費用対効果が見えやすい ・認知度拡大につながる |
デメリット | ・CV発生時に料金が発生する ・ASPへの初期費用や月額料金がかかる ・業種や商材によっては不向きなケースもある ・自社イメージと異なるPRをされる可能性がある |
Web広告でECサイトへの集客を増やすポイント
ここからは、Web広告を活用したECサイトへの集客方法のポイントとして、以下4点を解説します。
- 1.定量的な目標を設定する
- 2.ユーザーの段階に合わせてWeb広告を選択する
- 3.ABテストを活用する
- 4.PDCAを回して改善を図る
1.定量的な目標を設定する
Web広告をより効果的に活用するためには、定量的な目標を立てることが欠かせません。理由は、数値目標を立てることによって、達成見込みや進捗管理がしやすくなるからです。
一般的には、会員数、ROAS(Return On Advertising Spend:広告の費用対効果)、CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)、CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)などが指標として活用されます。また、収益だけでなく、どの商品が売れているかも指標として考えられます。
2.ユーザーの段階に合わせてWeb広告を選択する
Web広告を効果的に運用するには、ユーザーの段階に合わせて配信手法を分けることが重要です。認知前、比較検討、購入直前の3段階で活用できる広告の振り分け例は以下のとおりです。
- ・認知前の段階:動画広告、ディスプレイ広告
- ・比較検討の段階:リスティング広告、Googleショッピング広告、アフィリエイト広告、SNS広告
- ・購入直前の段階:リマーケティング広告(特に動的リマーケティング広告)
このように、ユーザーの段階に合わせた最適な広告配信を行うことが、成果アップのカギを握っています。
3.ABテストを活用する
ECサイトのWeb広告では、ABテストを用いて、クリエイティブやLP(Landing Page:ランディングページ)などを最適化することが不可欠です。
ABテストとは、特定の要素を変更したAパターンとBパターンを作成し、どちらのパターンをユーザーに表示すると、より高いCVRを得られるか検証する方法のことです。
ECサイトでは、オファーでABテストを検証するケースがあります。具体的には、「〇〇円以上だと送料無料」と「〇〇円割引のクーポン」では、どちらのCVRが高いか、といった検証を行います。その他にも、イメージ写真、コピーライティング、デザイン、見出し、レイアウト、ボタンなどに関して検証できます。
なお、従来ABテストに用いられていたGoogleオプティマイズのサービス終了が正式に発表されました。2023年9月30日をもって利用できなくなりますので、運用で使用している方はご注意ください。
※今のところGoogleより代替サービスの提示はありません。GA4(Google Analytics4:グーグル・アナリティクス・フォー・プロパティ)の画面内にABテスト機能が実装される可能性がありますが、最新の情報を取得ください。
4.PDCAを回して改善を図る
Web広告を出稿する際には、PDCAサイクルを回しながら、Web広告の改善・最適化を図っていくことが重要です。
Web広告の出稿から運用に関わる業務をPDCAサイクルにあてはめると、以下のようになります。
▼Web広告の出稿から運用までのPDCA
項目 | 詳細 |
Plan(配信設定) | ・目標設定 ・広告プランの検討 ・予算調整 ・競合調査 |
Do(広告配信) | ・広告の配信 ・入札調整 ・異常値の確認 |
Check(効果検証) | ・成果やKPI達成度の確認(理由や要因の探究) |
Action(改善) | ・予算配分の最適化 ・運用継続や停止の検討 ・改善策の検討(ABテストの結果を活用する) |
ECサイトにWeb広告を活用して効率的に集客を行う
ECサイトでWeb広告を使う場合は、定量的な目標を明確にし、最適なWeb広告手法を選ぶことが重要です。その際、ABテストやPDCAを活用しながら、予算配分やクリエイティブの最適化を行っていくことがCV数の向上、ひいては売上向上につながります。
近年では、GA4のオーディエンスデータやコンバージョンデータ等をGoogle広告に連携することでより高度な配信が可能になったり、Googleの全ての広告媒体(検索広告、YouTube、Display、ショッピング広告、Gmail等)にAIが自動出稿する「P-MAX 」キャンペーンという手法が登場しており、実際に様々な業種のECサイトで高いパフォーマンスが出ています。事例や詳しい話しを聞いてみたいといったご要望があればお気軽にお問合せください。